Global Plan to End TB 2023-2030
管理者用新型コロナウイルス感染症の影響により世界の結核対策は大きな打撃を受け、「2030年結核終息」(SDGs3.3)達成への歩みは後退しました。Stop TB Partnership (ジュネーブ)では、「2030年結核終息」を実現するために必要な行動と資金(投資パッケージ)を示したGlobal Plan to End TB 2023-2030 (グローバルプラン)を発表しました。
グローバルプランでは2030年までに2500億ドルを結核に投資することにより、5000万人の結核患者が早期診断と治療、新規ワクチンが開発・普及を可能とし、何百万人も命を救う方法を示しています。
グローバルプランでは以下を強調しています。
・人間中心としたアプローチ
・公衆衛生の優先事項として予防に重点を置き、結核予防を将来パンデミックへの備えの中心に位置付ける。
・ 結核医療への普遍的アクセス、結核研究開発の加速、新しい結核ツールの導入とスケールアップ。
・新規結核ワクチンへの投資、2025年までに新規ワクチンを承認し、結核高まん延国の成人に届くようにする。
・新しいインパクト・モデリングと必要資金予測による2030年結核終息を可能とする「投資パッケージ」を提示
◆投資効果
この投資に対する経済的リターンは、1米ドルを投資するごとに40米ドル。
もし現状のままであるならば、結核により660万人(毎日4,000〜5,000人)が死亡し、さらに4,300万人が結核を発症し、1兆ドルの世界経済損失になると予想される。人類は、2億3400万人の障害調整生存年(DALYs)を失う。
◆必要資金
政府、民間セクター、革新的な資金源などのあらゆる資金源から、2023年から2030年の間に、2499億8000万ドルを動員する必要があると試算。
(内訳)
・結核の予防と治療に対する1,572億米ドル(年平均196.5億米ドル)
・新規ワクチン利用可能になった後のワクチン接種として526億米ドル
・新規結核治療薬や治療レジメン、診断薬、ワクチンの開発の加速に401億8000万米ドル
(毎年8億米ドルの基礎研究の支援が含む)
◆インパクト予測
・結核患者の少なくとも95%が診断を受けることが可能となる。
・全てのハイリスク、脆弱なグループが定期的なスクリーニングを受けることが可能となる。
・470万人の子どもと332万人の薬剤耐性結核患者を含む5,000万人が適切な結核治療を受けることが可能となる。
・3,500万人が結核予防治療(TPT)を受けられるようになる。
・2026年までに少なくとも1種類の新規結核ワクチンが導入され、広く使用されるようになる。