結核の最新技術と研究開発 |
概 略
世界における結核のほとんどはアジア・アフリカを中心とした途上国に集中しています。HIV/エイズとの重複感染や多剤耐性結核など多くの深刻な問題を抱えています。
結核の世界的流行を終息させるには,途上国の設備や技術など、その環境にあった革新的な検査方法、治療、予防などが強く求められており、それぞれの領域での技術革新が必要です。
日本では,結核に関係する新技術の研究開発が成果を上げつつあり,日本発の世界貢献が期待されています。
◆結核対策の革新2010
◆結核対策の革新2014
◆新抗結核薬「デルティバ®(デラマニド)」(大塚製薬)
多剤耐性結核の治療のための40年ぶりの新薬として、2013年欧州で承認、2014年7月には日本でも承認されました。 日本結核病学会が「デラマニドの使用について」見解を新たな耐性をつくらないために発表しています。 さらに、このデルティバ®を有効に活用するために、デルティバ®を用いた一般の結核治療方式の開発の研究が必要とされています。
大塚製薬
→40年ぶりの抗結核薬の新薬
「デルティバ®」 日本初の多剤耐性肺結核の適応で承認取得
→大塚製薬とストップ結核パートナーシップの世界抗結核薬基金(GDF)
◆「LAMP法」(栄研化学)
結核菌の検査では、塗抹検査、培養検査、遺伝子検査などが行われていますが、途上国では、設備や技術、検出までの時間などの理由によって塗抹検査だけを実施するのが現状です。塗抹検査は約半数の見逃しがあると言われており、塗抹検査にかわる新しい結核菌の検査が結核の早期発見のために重要となります。 「LAMP法」(国産遺伝子増幅技術)を用いた結核菌検査は、これまで遺伝子検査が行えなかった途上国施設においても使用可能であることが確認されています。
(参考:国産技術「LAMP法」が世界の結核検査を変える 栄研化学)
栄研化学
→LAMP法とは
◆国産技術「LAMP法」が世界の結核検査を変える
◆経粘膜ワクチン(「ヒトパラインフルエンザ・ウィルス」をベクターとした遺伝子組み換えワクチン(独立行政法人医薬基盤研究所・クリエイトワクチン・Aeras)
既存の結核ワクチンは、乳幼児に対しては極めて高い効果が認められていますが、成人の肺結核に対する効果は乏しく、新規結核ワクチンの開発が望まれています。この経粘膜ワクチンは、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスベクター技術を臨床応用した、肺結核を予防する粘膜免疫誘導型ワクチンで、結核の予防への貢献が期待されています。また、この新規結核ワクチンは、独立行政法人医薬基盤研究所、株式会社クリエイトワクチン、Aerasの共同研究されており、GHIT Fund(一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金)より助成を受けています。
(参考:独立行政法人医薬基盤研究所のHP)
耐性結核新薬開発基金 |
日本の民間企業が開発中の新抗結核薬、新結核診断検査薬等の開発治験の推進を支援することによって結核対策に貢献することを目的に、2009年7月1日、ストップ結核パートナーシップ日本に設立されました。 大塚製薬の 新抗結核薬「デルティバ®(デラマニド)」が欧州、日本で承認されましたが、ストップ結核パートナーシップ日本は、多剤耐性結核新薬開発基金において協力をしました。 |
→このページの先頭に戻る |