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結核について

国内結核

概 況

結核は「過去の病気」ではありません。日本ではいまだに、年間約2万人以上が発症し、2,000人以上が亡くなる最大級の感染症です。2014年では人口10万人に対する新規患者数(10万対罹患率)は、15.4人で、米国の5倍に上り、未だ「中蔓延国」と位置付けられています。

そして今、新しい問題も生じています。患者さんの多くが結核以外の余病をもった高齢者で、診断、治療が困難です。その一方、都市部では若い人々や社会的・経済的に弱い立場にある人々の間の発症が目立っています。

 

 

 

◆結核患者は都市部で集中している。 

 

・大阪市(罹患率人口十万対36.8)、名古屋市(同23.2)、堺市(同21.5)、神戸市(同21.5)、東京都特別区(同21.2)

・都市部では、若い人々や社会・経済的弱者の人々に患者発生が目立っている。
・ネットカフェ、ゲームセンター、カラオケ、パチンコなど、不特定多数の人が集まるところでの

 集団感染の報告が相次いでいる。

 

→あいりん地区の結核

 

 

 

◆高齢化

 

・70歳以上が新発生結核患者全体の58.2%を占める。(*)

・80歳以上が全体の37.7%を占め、罹患率は10万対76.7。
 高齢者の多くは過去に結核菌の感染を受けた人。
・80歳以上の人は8割以上が感染している可能性があり(発病予備軍)、毎年一定の割合で発病してくる。

・高齢になって悪性腫瘍、糖尿病などの生活習慣病などの病気が免疫を低下させ、

 休眠していた結核菌が活動を再開して発病する可能性が高い。

 また、他の病気の治療のために免疫を抑制する薬剤の使用機会が増え、

 これらの免疫抑制が休眠していた菌の活動を再開させる。
・結核の他に余病を持った高齢者は診断・治療が困難。
 高齢者自身だけでなく、医師をはじめとする医療従事者も結核について意識して
 注意をする必要がある。
・診断が遅れると、介護者、看護師始め、若い医療従事者に感染させる可能性が高い。
 (*H26年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)

 

 

 

◆医療従事者の感染

 

・医療従事者の感染は一般に比べ高い

 

医療従事者の新登録結核患者数

    H21   H22   H23   H24   H25   H26 
 看護師・保健師 353 316 350 294 234 249
 医師 78 91 81 62 66 47
 その他の医療従者 186 157 242 280 281 255
 合計(人) 617 564 673 636 581 551

 

 

 

◆外国出生者の結核は増加傾向

 

・外国籍の結核患者は、1064人を超え。全患者に対する割合(5.2%)は増加傾向にある。
 特に20歳代では、新登録結核患者の40%以上が外国出生者。
・アジア諸国では結核は依然大きな健康問題であり、アジア諸国からの入国が多い日本に
 とって、これらの国々の結核対策も日本の結核問題を左右する新たな課題。

 

 

 

◆働き盛りに受診の遅れが多い


 ・働き盛りで感染性のある結核患者の約3人に1人は受診が遅れている。
  その場合、他への感染の危険が大きく、本人の病気は重症化する。

 

 

 

◆糖尿病、リウマチなど免疫抑制剤を使用する方の結核

 

・新登録結核患者のうち、糖尿病を持っている患者の割合は、H26では14.0%と増加傾向にある。
・糖尿病を合併した結核は、そうでない結核と比較して、①重症化しやすい、②治療が効きにくい、

 ③死亡につながりやすい、④治ったあと再発しやすい、といった問題がある。

 

一般人口と比較した場合結核患者では明かに糖尿病の有病率が高く、全年齢で2.3倍、また年齢別に見てとくに30-59歳では4-6倍にもなります。糖尿病の患者は結核の発病にとくに注意をする必要がある

(*)H26年結核登録者情報調査年報集計結果

 

平成26年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)

 

 

 
 

2020年低蔓延化に向けた課題

 

WHOの定める世界目標に呼応し,世界に貢献する日本として,官民挙げて,東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに日本を低蔓延国(結核罹患率人口10万対10以下)とすることを目指す」ことが「ストップ結核ジャパンアクションプラン」で宣言されています。

 

2013年の罹患率16.1を起点として2020年に10未満を達成するためには,年平均6.6%の減少率を達成することが求められています。これまでの結核罹患率の年減少率は2000年以降4.9%ですが、2000年から2005年が6.4%であるのに対して,最近5年間は3.4%と減少率は近年鈍化傾向にあります。 罹患率の年6.6%の減少は不可能ではありませんが,目標達成にはこれまで以上に包括的な対策を積極的に推進する必要があります。

 

 

 

◆課題と対策


・患者の早期発見(有症状者の早期受診・早期診断)
・ハイリスク者対策(社会経済的弱者,外国出生者に対する健診)
・潜在性結核感染症治療の一層の普及
・大きな地域差:罹患率の地域差が大きく,それぞれの地域における問題が異なっている。

 従って,それぞれの地域の状況に応じた対策を進める必要がある。
・医療提供体制の再編成,結核病床の確保
・結核医療や対策の技術確保
・新技術の研究開発・適用

 

平均減少率は2000-2013までで4.9%ですが,この間,2000-05年は6.4%,2003年以降の10年間平均で4.2%,2007年以降2013年までの5年間が3.4%となっています。

 

 

 

◆低まん延化の実現に向けた課題

 


◆2020年に罹患率10万対10を実現するために、考えられるシナリオ

 

 

 
 
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