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結核について

国内結核

概 況

結核は過去の病気ではありません。年間約15,000人が結核を発病し、約2,000人が亡くなるわが国最大級の感染症です。結核罹患率は(2019年人口十万対11.5)減少傾向にありますが、日本は未だ中蔓延国です。結核の発症は、高齢者(新規結核登録者の60%が70歳以上)をはじめ、社会的弱者及び基礎疾患など様々な医学的リスクを持った人々に集中しています。地理的には一般的に西日本で罹患率が高く、大都市はその周辺地域よりも高い傾向にあり、都市の社会的リスクを反映しています。

また、近年は、外国出生の患者が増加傾向にあります。特に若年層では20代結核患者の70%が外国生まれとなっていて、結核高まん延国の出生者が来日後に診断される症例が増加しています。

人々の健康に対する過信・無関心、医師の結核に対する認識の低下から結核の発見が遅れ、発見された時には病状が悪化している発症例が増えています。

 

●都市部に集中

人口の多い都市部では、人の流動が激しく感染の広がりリスクが高くなります。また経済的な問題から健康管理に恵まれない人々や結核罹患率の高い海外地域から来日する人口が多くなっていることも要因の一つと考えられます

 

●重症化、重症例の増加

受信や診断の遅れのために発見された時にはすでに病状が悪化し、治療は困難か長期化するケースが増加しています。結核は咳やくしゃみなどによって結核菌が飛び散ることで感染が広がりますが、結核の診断の前に結核が進行すると周りの人に感染が広がる危険が高くなります。また糖尿病などの生活習慣病により治療がこじれる例が増加しています。高齢者ではほかの病気の治療の為に薬の作用で免疫力が低下することによって結核が発病重症化することがあります。

 

●外国からの流入

20代結核の約70%が外国生まれて増加傾向にあります。特に近隣アジア諸国の結核罹患率は日本と比較して約3~20倍とかなり高い状況にあります。感染をしたまま来日し、日本で発病するケースも多く見られます。

 

●新型コロナによる影響

新型コロナウイルス感染症(コロナ)の結核医療への影響が懸念されています。2020年の患者発見では、定期健診での発見が32%減、接触者検診では31%減、有症状での医療機関での発見は10%減少しました。 接触者検診では,家族外の接触者検診からの発見の減少が顕著であることから,保健所でのコロナ対応への人的資源の振り分け等の影響が推測されます。また,潜在性結核感染症の届出数も 29%と大きく減少しました。

 

 

厚生労働省 「結核(BCGワクチン

 
 

早期低蔓延化に向けて

 

世界では「2030年結核終息」を目標としています。SDGsやWHOの世界結核終息戦略に呼応し、日本においても早期結核低蔓延化を目指しています。

 

ストップ結核ジャパンアクションプランでは、以下を目標とし、対策の重点としています。

 

目 標

〇 2025年中間目標を罹患率7(罹患率の減速速度 年7.5%)とする。

外国出生者や高齢者の結核対策に一層取り組む等、が重要となる。

 

〇 2035年目標を罹患率2 (罹患率の原則速度 年12%)とする

新たな対策技術の開発及び適用を前提とする。

 

重 点

①    外国出生者高齢者ハイリスクグループに対する結核対策の強化。

 

②    潜在性結核感染症患者に発病を予防する治療を積極的に推進。

 

③    新型コロナウイルス感染症の流行によって損なわれた医療提供体制の早急な再構築。

 

④    新しい技術対策の研究開発。

 

⑤    人材の養成と技術支援の強化。

 

 

 
 
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